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波郷の忌 中西夕紀

もの思ふ顔の川見て波郷の忌   中西夕紀
俳誌「都市」2016.2月号より

何かもの思いにふける男が、川面を見ている。その男を見るともなく見ていると、ふっと今日、十一月二十一日は波郷の忌日だと気付く。川を見ている男に波郷の面影を見たのだろう。
この句の面白さは、上十二音の言い方にある。この、もどかしい物言いに読者はちょっと戸惑う。それが、もの思う顔が実感となって伝わってくる仕掛けなのだ。
また、作者中西夕紀は秋桜子、波郷、湘子に連なる結社で俳句の道に入った。波郷に対する関心も深かいに違いない。

2016-02-29 | Posted in 佳聲を聞くNo Comments » 
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